ところで、遺産の総額はどのように計算するのでしょう?預貯金や借入金のように金額がハッキリしているものは簡単ですが、金額がハッキリしていないものもありますから厄介です。
金額のハッキリしない遺産の代表格が不動産でしょう。実は、相続税では土地や建物の金額を計算する方法が明確に定められています。
まず、土地については、全国の主要な道路に「路線価」という評価単価が設定されていて、その路線価に面積を乗じて評価額を計算することとされています。
例えば、路線価が10万円とされた道路に面している120㎡の土地であるならば、
120㎡×10万円=1,200万円
といった具合です。
もちろん、角地のように2以上の道路に面している場合、土地の形が三角形だったり極めて細長かったり、坂の途中にあるため高低差があったりする場合には、それぞれの事情に応じた評価増や評価減が定められていますし、その土地を居住用としている場合、他人に貸している場合、貸家の敷地にしている場合といった用途に応じた評価方法も定められています。
また、山林や原野のように周辺に路線価が設定されていない場合などもあり、そのような場合の評価方法についてもルールが定められていますが、このような話になりますと、この紙面で語り尽くせるものではありません。
正確な計算は税理士などの専門家に任せることとし、あくまでも簡易的な計算を目安としてください。