WEB:用語集

経営・事業戦略

競争優位の戦略

マイケル・E・ポーターが提唱した競争優位を創出するための3つの基本戦略。1985年に出版されたポーターの書籍名。ライバルに打ち勝ち、優位性を築くための基本的戦略のフレームワーク。「3つの基本戦略」として提唱されている。

①コストリーダーシップ
ライバルよりも低コストで価値を創造し、低価格で提供する戦略。
規模の経済の追求と、経験の蓄積から効率性が増す「経験曲線の理論」により、コスト面で最優位に立とうとする戦略。低コストを実現することで、同じ価格の場合はライバルより高い利益を得られ、また低価格にすれば大きなシェアを獲得するなどの優位性が得られる。

②差別化
自社の製品やサービスをライバルにはない独自性の高い価値なものと顧客に認知してもらい、業界での優位性を築こうとする戦略。差別化は、ブランドイメージや商品の機能、技術力による品質、顧客サービスなどで行われる。

③集中
業界内の特定のセグメントに対象を絞って、コスト・リーダーシップ戦略もしくは差別化戦略を行います。したがって、集中戦略は、「コスト集中」と「差別化集中」のいずれかとなる。

コア・コンピタンス

競争優位に立つための、他社が容易に真似できない自社の中核的能力。ある活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」の事を指す。

コスト・リーダーシップ戦略

生産規模や販売規模、原料調達、製造プロセス、物流システムなどの優位性に基づいて他社より低コストを実現し、シェアを拡大しようとする戦略で、規模の経済性を発揮できるリーダー企業に適した戦略とされている。マイケル・E・ポーターの競争優位の戦略の1つ。

スループット会計

TOC(制約理論)で用いられる企業利益の評価方法。
従来の原価計算に基づく損益計算書の利益計算から資金の最大化のため特に製造業の会計の視点を変えるための会計で、独自に定義した以下の3つの指標を用いる。

①スループット…販売を通じて生み出される資金の割合で、多いほどよい。
②在庫…材料、仕掛品(材料費、外注費)、完成品など、売るためのものの購入にあてる資金で、少ないほどよい。
③業務費用…材料費、外注費以外の全てのコスト、製造原価の人件費、減価償却費等の製造間接費、一般管理費など、在庫をスループットに変えるために費やす資金で、少ないほどよい。

スループットは、製品が生み出す時間あたりの利益(キャッシュ)を把握しようとするもの。また在庫は、通常の財務会計では資産とみなされるため、これが増えると実際のキャッシュは減るのに見かけ上の利益は増えることになる。それに対しスループット会計では、在庫の概念が実際のキャッシュの動きを表すように定義されている。

ナレッジマネジメント

社員が個別に持っている情報・知恵・ノウハウなどを、会社の重要な経営資源ととらえ、これらを集約し、相乗効果を上げていこうという考え方。その実現のためには、暗黙知や個人知を吸い上げ、利用可能なフォーマットに転換し、知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を容易にしようとする企業マネジメント上の手法。

ニッチ戦略

大手企業が乗り出していない分野や、誰も注目していないような分野をねらって進出しようという戦略。
ニッチ戦略では、選んだ事業分野でナンバー1、さらにオンリー1になることが望ましいとされる。ニッチ戦略をとる企業をニッチャーという。いわゆる「すきま産業」のこと。

バリューチェーン

バリューチェーンとは、顧客に価値が届けられるまでに企業間で付加される価値のつながりのことをいう。企業活動全体のなかで特に付加価値を生み出している機能や、強み・弱みがある機能などを分析し、差別化のための事業戦略や改善の方向を探る際に活用される。米国の経営学者ポーターが提唱したもので、価値連鎖とも訳される。
バリューチェーンは価値創造活動と利益(マージン)の総和であり、価値創造活動は、大きく主活動と支援活動の2つから構成されている。主活動とは、製品・サービスを顧客に提供することに直接関与する活動であり、購買物流(原材料の購買)、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスからなる。支援活動は、全般管理(インフラストラクチャー)、人事・労務管理、技術開発、調達からなる。

パレートの法則

全体の結果の80%は原因のうちの20%によって生じているとする考え方。「80対20の法則」の名でも知られる。
パレートの法則は、働きアリの法則と同じ意味合いで使用されることが多く、組織全体の2割程の要人が大部分の利益をもたらしており、そしてその2割の要人が間引かれると、残り8割の中の2割がまた大部分の利益をもたらすようになるというものである。
他にも様々な解釈があり、例えば「世界のGDPの80%は20%の富裕層に集中している」や「全売上の80%は全商品の20%が生み出している」などといわれる。
一方、「全売上の80%を生み出す20%の商品」以外の、その他80%の商品の売上を重視する考え方として、「ロングテール」が提唱されている。

ブルー・オーシャン

ブルー・オーシャンとは、文字通りには英語で「青い海」を意味するが、経営学では「競争のない新しい市場」を指す。経営学者W・チャン・キムとR・モボルニュが共著『ブルー・オーシャン戦略』(2005年)において、競争の激しい既存の市場を指す「レッド・オーシャン」との対で用いた。
自分の業界における一般的な機能のうち、何かを「減らす」「取り除く」、その上で特定の機能を「増やす」、あるいは新たに「付け加える」ことにより、それまでなかった企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリュー・イノベーション」が必要だとしている。そのための具体的な分析ツールとして、「戦略キャンバス」などを提示している。

ベンチマーキング

ベンチマークとはそもそもは土地測量における基準点をさす言葉。これが米国企業において、経営改革の手法として用いられたことから注目されるようになった。
経営手法としてのベンチマーキングとは、国や企業等が製品、サービス、プロセス、慣行を継続的に測定し、優れた競合他社やその他の優良企業のパフォーマンスと比較・分析し、それを目標として自社のビジネスプロセスを改善することをいう。

リストラ(リストラクチャリング)

事業の再構築、事業構造の変革。
実際の「リストラ」は、現状の事業規模や従業員数を維持、もしくは増強した上での組織(企業)再構築ではなく、組織再構築のために不採算事業や部署の縮小(ダウンサイジング)を行い、またそれに伴う従業員解雇(特に整理解雇)が行われる事が多かった。
その象徴的な現象として人員削減がクローズアップされ、リストラ=人員削減とみなされることが多いが、それだけが本来の意味ではない。

ワンストップサービス / ワンストップショップ

ワンストップとは「一カ所、一度に」という意味で、ワンストップサービスとは、必要な調達やサービス、手続きなどを1つの事業者などが提供するもの。
ワンストップショップとは、消費者が一カ所で必要なものをまとめ買いできるよう、多様な商品やサービスを総合的に揃えた店舗のこと。
コンビニエンスストアやパワーセンターなどの店舗の他、通販やオンラインショップにその例が見られる。
マーケティング的には、消費者にとっては利便性が高く、企業側にとっては顧客の囲い込みが期待できるとされる。またネットワークの強みが発揮できるため、新しいネットビジネスの形態として注目されている。

1980年代に米モトローラ社が開発した品質管理手法、または経営手法である。σとは統計用語でバラツキを表す指標であり、6σはエラーやミスの発生率を100万回に3、4回程度に抑えることを意味する。

BPR

BPR(Business Process Re-engineering 〈ビジネス・プロセス・リエンジニアリング〉)。業務活動を根本から考え直し、根本的革新を行う経営手法。研究開発、製造工程、原価・品質管理、製品・サービスの供給方式、人事評価などすべての企業活動を、首尾一貫したビジネスプロセスとして再統合および最適化し、効率や生産性を飛躍的に向上させることを目指す。

CI

CI(Corporate Identity〈コーポレート・アイデンティティ〉)。企業の特性や独自性を、統一されたイメージで顧客が認識できるように働きかけ、社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略の一つ。CI、CI計画、CIプロジェクトなどとも呼ばれる。

CRM

CRM(Customer Relationship Management〈顧客管理システム〉)。顧客情報を活かし、顧客と長期的で良好な関係を築くことで顧客満足度を向上させ、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略・手法のことをいう。

VE

VE(Value Engineering〈価値工学〉)。製品や役務などの価値を、それに対して顧客が求める機能とコストの関係で分析検討し、製品や役務の品質を維持しながらコストダウンを図る、またはコストを上げずに品質を向上させる手法をいう。

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