本当に中小企業経営者のお役に立てる会計事務所を目指すために、大手監査法人を飛び出して、早くも20年近い歳月が流れました。多くの経営者の皆さんに愛され、自分もその会社の一員となったような熱い想いで駆け抜けてきました。
大企業の会計監査業務にも従事していた私からすれば、「中小企業には、中小企業としてのやり方がある」という事実と向き合い、「中小企業は大企業の真似なんかできない」という、中小企業の理屈を大事にしながら、中小企業の真の成功をお手伝いしてきたつもりでした。
しかしながら、それは大きな間違いでした。中小企業が真に成功を修めるという目標設定には矛盾がありました。「中小企業が真に成功したならば、大企業になっているはずである」ということに気づいてしまいました。中小企業がいつまでも中小企業であり続ける本当の意味は「大企業と比べてしまえば、結局は劣っているからである」という厳しい事実に思い至ってしまったのです。
素晴らしい製品を創る中小企業があります。素晴らしい業績を続ける中小企業もあります。それにもかかわらず、それらの優良中小企業は大企業になれないようです。「果たして、その原因はいったい何であるか」「なぜ、これだけの技術力を持っていながら京セラにはなれないのか」それが、私のテーマとなってきたわけです。
中小企業は大企業になることを目指すべきだと思います。もちろん、大きくなることだけが本当の成功、本当の幸せではないでしょう。しかしながら、「大きくならない」ことと「大きくなれない」こととは、雲泥の差ではないでしょうか。
これまでに、いくつものお客様が飛躍的な成長を遂げられ、喜びを分かち合うことができました。私は、これからも中小企業の幸せを願い、その達成のお手伝いをすることが私の使命であり、生まれてきたことの意義であると考えています。中小企業経営者の笑顔が私の無上の喜びなのです。