「今回は戦国の寝業師」といわれた怪僧・安国寺恵瓊をベスト3としてご紹介します。
今、NHK大河ドラマで放映されている「軍師・黒田官兵衛」では毛利家の外交担当者として登場している、「怪しいカレ」です。
安国寺恵瓊(1537または1539~1600)はもともとは今の広島県・安芸の国の守護「安芸武田氏」の一族と言われています。
この「安芸武田氏」は皆さんご存知の武田信玄の遠い親戚で、武田氏は源氏の末裔として日本各地に移り住み、「甲斐武田氏」「若狭武田氏」などと共に名門の一つでもありました。
安国寺恵瓊の宗派が禅宗で臨済宗であることからも、彼が武家の出身であったことがうかがえます。
「安芸武田氏」は、1541年に毛利元就によって滅ぼされました。
その際に安国寺恵瓊は僧侶となって戦火から逃れ、その後毛利家に仕えて外交担当として活躍します。
彼の得意技は、「人の心の底に潜む黒い欲望を巧みに操り、自分の思うままに人を動かす」こと...
「戦国の寝業師」とはそのようなところからついたあだ名のようです。
1570年代後半から、西へ進出する織田家を阻止しようとあの手この手で対抗します。
荒木村重や別所長治の突如の反乱は安国寺恵瓊が絡んでいたと思われます。
が、織田家の力は増すばかり。
安国寺恵瓊は毛利家の中心である小早川隆景と協力して、今度は密かに織田家と講和条約を結ぼうと暗躍します。
織田家(中国地方の攻略担当は豊臣秀吉)とのかかわりが深くなっていくにつれ、安国寺恵瓊は、
①織田信長は近いうちに横死する。
②その後天下を取るのは豊臣秀吉である。
という、織田信長の全盛期であるその当時としては何とも怪しげな予言をします。
きっと、信長暗殺(本能寺の変)について、何らかのかかわりがあったんでしょうね?
僧侶のくせに、本当にダークで怪しい奴です。
その後豊臣秀吉が予言通り天下を取ると、彼は「僧侶であり毛利家の家臣でありながら」大名になります。
本来僧侶とは世俗を捨てて仏門で生きる立場です。
そんな彼が大名になってしまうのです。
普通はあり得ません。
1600年、関ヶ原の戦いで安国寺恵瓊は毛利軍の一角として西軍として参戦します。
西軍の首謀者は石田三成ですが、総大将は毛利輝元で、安国寺恵瓊が毛利輝元を総大将に担ぎ上げたといわれています。
結果、西軍は負けてしまいます。西軍の首謀者の一人として安国寺恵瓊は石田三成と共に処刑されます。
毛利家では負けた原因を作った張本人として安国寺恵瓊を恨んでおり、助命の願いが出されなかったそうです。
「戦国の寝業師」もここでジ・エンド...
でも、「寝技」って、とってもクールです!
「人の心の底に潜む黒い欲望を巧みに操る...」
私の中ではおすすめな武将の一人です。
あまりに怪しすぎて、探してみても写真がありませんでした。
「ダークすぎて」肖像画ががない武将も珍しいですね!